金安歯科医院 金安 拓朗 院長 TAKURO KANAYASU
神奈川県横浜市金沢区出身。神奈川歯科大学口腔病理学学位取得。大学卒業後、関東近郊の歯科医院などで研鑽を積み、2001年に母が開業した金安歯科医院の副院長に。その後、2006年に同院の院長に就任。金沢区歯科医師会の理事としても地域医療に尽力。
神奈川県横浜市金沢区出身。神奈川歯科大学口腔病理学学位取得。大学卒業後、関東近郊の歯科医院などで研鑽を積み、2001年に母が開業した金安歯科医院の副院長に。その後、2006年に同院の院長に就任。金沢区歯科医師会の理事としても地域医療に尽力。
両親が歯科医でしたから、ばくぜんと小さいころから自分も歯科医になるんだろうなと思っていました。それに加えて、いわゆる大企業のサラリーマンといった一般的な仕事って、もちろんそれぞれ大切な仕事ですが、外から見ると最終的にどう役に立ったのか、というのが見えにくいなという印象があり、人の役に立つことが見える仕事がしたかったんですね。歯科医は、それが一番ダイレクトに感じられる。それも歯科医の道を選んだ理由の一つですね。
父は神奈川歯科大学などで教鞭をとっていましたが、母が当院を開業。自分は2代目になります。5年くらいは母とも一緒に診療にあたっていました。あの当時、女性で歯科医を開業しているというのはレアな存在ですよね。男社会に近い世界のなかでやってきたというのは素直にすごいなと。両親とも歯科医として尊敬できる存在です。
卒後、歯科臨床の道に進もうと決めてましたが、父の勧めでもあり専門分野を研究する道も経験してみては?とのアドバイスもあり、神奈川歯科大の口腔病理学で勉強させていただき学位をとることができました。10年かかっちゃいましたが…。
当院は地域柄もあるのかもしれませんが、中高年から高齢の患者さんが多いですね。母の代から通ってくださる方もいらっしゃいますから。富岡小学校の校医ととみおかスマイル保育園の園医も務めていますので、もちろんお子さんも診ていますが、今は月に2回、土曜日に小児歯科の専門医に来ていただいていますので、お子さんはそこに集中していますね。もちろん平日は私が診ていますが、わりとすみ分けができているという部分もあるように思います。
もともと専門は補綴です。それも父の影響ですね。父が大学で義歯や補綴を教えていたこともあり、家にも入れ歯が置いてありましたから、馴染みがあったんですね。補綴を専門に学び、大学卒業後は歯内療法の研鑽も積みました。実は学生時代、根っこの治療の成績が非常に悪かったんですよ。評価の低いものを患者さんに提供するのはまずいなと思い、学会に入会し、歯内療法で有名な先生の講習や実習に行って、学校で習うものからもう一歩踏み込んだところまで、学びを深めました。さらに、最初に勤めた歯科医院の院長に抜歯の技術も鍛えていただきました。毎週1回、抜歯の患者さんだけを対応するといった感じで、今思うとかなりブラックだったようにも思いますが(笑)、その経験があったからこそ度胸がつきました。水泳ではじめて水に浮いたときのような「できた!」という感覚ってあると思いますが、そんな感じで「こうすればストレスなく抜けるんだ」というのが分かるタイミングもありましたね。
歯内療法、補綴や義歯、抜歯という3つのサイクルが、自分のなかで確立できたことも大きかったように感じています。高齢の患者さんが多くなっていることもあり、その3つがすごく役立っているというか、わりとなんでも対応できるんですね。唯一、矯正だけは自分の専門外になってしまいますので、同級生の矯正専門医に月に1度来てもらっています。インプラントも最初は対応していなかったんです。でも、やっぱり義歯では満足できないという患者さんがいて、その方は長く通ってくださっている方で「他院でインプラントをやったら、先生にメンテナンスしてもらえますか?」と言われて。だったら、当院で対応すべきだろうと。これも同級生に専門医がいたので勉強させてもらい、それが15年以上前かな。もちろん自分だけでなくチームで取り組む必要があるケースは、それぞれ専門の先生と行います。もちろんなんでも抱え込むのではなく、診断後必要なケースは大学病院などへ紹介することもありますが、ほとんどのことを当院で対応できるようにしています。
当たり前のことかもしれませんがとにかくベストを尽くす。患者さんには、自分の持っているものを総動員して向き合うことを今後も大切にしていきたいですね。デジタル化にも対応しつつ、変えなくちゃいけないことは変えていきたいと思いますが、なんでもかんでも飛びつくのではなく、自分のなかで納得したものを取り入れていきたいです。自分が治療できる人数というものも限界がありますから。自分ができる範囲のことに真摯に向き合っていき、患者さんに信頼してもらえる歯科医でいたいですね。また、金沢区歯科医師会の専務も務めていますので、地域の公衆衛生にも少しお役に立てたらと思っています。金沢区には中核となる基幹病院が2つあり、医療に関しては恵まれた環境。歯科医師会やスタディグループで若い先生と接すると、これからも勉強してアップデートしなくとは。と、痛感します。クリニックとしてはもちろんですが、歯科医師会としても保健センターなどと連携していきたいと考えています。
※上記記事は2024年6月に取材したものです。
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