清水 洋子 院長・清水 洋（清水歯科医院)のインタビュー

父から妹、息子たち夫婦へ世代を超えて繋げる歯科医のバトン

父が歯科医師だったことから、自然と歯科医を目指していましたね。夫も、息子も歯科医です。お嫁さんも歯科医師。うちの患者さんも診てくれて、手伝って貰っています。患者さんも0歳（妊婦さんの歯科健診）から訪問診療をご利用いただく患者さんまで、幅広く３世代に渡って診療に関わらせていただいております。

―人が人を想う。コミュニケーションは大切な潤滑油

診療の第一歩は対話、コミュニケーションを取ることだと考えています。小さなお子さんから妊婦さん、成人の皆さんはもちろんのこと、ご高齢の患者さんまで、どの世代の方々とも、お時間を取ってお話しし、適時対応することを心掛けています。そして、①一家で通える（赤ちゃんから祖父母世代まで）歯科であること。② 0歳（妊婦さんの歯科健診）からの定期健診の重要性をお話しし、口腔機能の衰えが全身の老化に繋がるオーラルフレイルについての対策、フレイル予防を重要としています。③衛生管理を徹底し、痛みの少ない良質な治療に取り組みます。患者さんにとって常に最良の治療を提供できるよう、スタディグループで勉強会をしたり、最先端の知識を得た息子夫婦の診療を取り入れたり、大学で補綴の研究を35年続けていた夫に補綴（入れ歯）を診療して貰っています。以前は、患者さんに寄り添った地元密着型の歯科医院であることが評価され、厚生労働省より「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に認定されました。（現在はなくなっています）

―暮らしと伴走するフレイル歯科であること

この地で歯科医院を開業して40年になります。患者さんに寄り添った地元密着型の歯科医でいることは勿論ですが、どのようなときも患者さんに寄り添う歯科医師であることを心掛けています。患者さんの人生と伴走する医院でありたいと願っています。内科医と医療連携することや、訪問診療するなどして関わらせていただいている患者さんも多くいらっしゃいます。同じくして、予防歯科、口腔内の老化はやがて全身の老化に繋がるというフレイル（オーラルフレイル）予防を根付かせていきたいですね。―噛める、食べられる。患者さんに寄り添い、生活をケアー治療は患者さんと私たち歯科医師との対話から始まります。そのためにはしっかり時間を取って、患者さんの悩みに真摯に対応することが大切だと考えています。治療が済んだとしても、1回治った歯や歯間も時間を経て変わって来ます。織田信長の生きていた時代、人生はおおよそ50年でした。歯や歯間の寿命もほぼそのくらいだと考えられています。しかし現実のところ、令和の現代で（日本での）平均寿命は90年です。何らかの手を施さなければ、健康な歯ではいられないのが当たり前なのです。だからこそ、自覚症状がなくても定期的に歯の健診を受診し、予防健診の重要性を共有したいのです。患者さんの生涯にわたり安心、安全な治療を提供し、定期的なお口の健診やフレイルの予防を図ることが私たちに課せられた使命だと思っています。

あなたの心配事をお話しください

例えば歯を失ってしまったとして、インプラントと入れ歯（補綴）どちらにしようか迷われることもあるでしょう。せっかくインプラントを入れたのだけれど、どうも具合が悪い。入れ歯（補綴）にしたほうが良いのかしら？「補綴」とは、歯が欠けたり無くなってしまった場合にクラウンや入れ歯などの人工物で補うことです。顎口腔系の形態や機能、審美的なものや、口蓋裂の閉鎖といった機能的な回復もこれに含まれます。患者さんにとって最も重要なのは、噛み合わせの良さ、ストレス無く食べ物を噛み、美味しく食べられる生活を送ることでしょう。その目的のために、患者さんひとり１人に寄り添い、その方にベストな選択肢をお伝えするのも、私たちの役割だと思います。オーラルフレイルを予防するためには、具体的な自覚症状がなかったとしても、定期的に予防健診を受診することが大切です。生きている限り、美味しく食べるために歯科医の扉を開けてください。対話、コミュニケーションはカウンセリングの第一歩です。私たち専門医は、患者さんの歯の健康を守るために伴走します。

※上記記事は2024年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。