櫻井 健人 院長（桜井歯科医院)のインタビュー

長野県の中核病院で勤務経験から見えてきた歯科治療の難易度

父が西柴で開業した歯科医院を幼い頃から見てきたことと、親戚にも歯科医師が多かったので自分も歯科医師になろうと考えてきました。大学卒業後に勤めた『長野赤十字病院』は長野市を中心に広い医療圏の中核病院で、私は口腔外科に7年間勤務しました。地域で唯一の口腔外科専門機関だったこともあり患者さんの数は非常に多く、年間の新患数は4000人と全国でもトップクラスの症例数。その中で私は親知らずの抜歯や外傷、ガンなど多くの症例を経験し、口腔外科の世界にどっぷりと浸かっていました。大きい病院だったので、いろいろな先生について処置を教わったり、病棟の患者さんの入院管理、急患があると夜中に外傷処置をするなど多忙をきわめていました。この経験から親知らずの抜歯一つをとってもその難易度の線引き出来るようになったり、悪性腫瘍などは専門医に紹介して診療してもらった方がいいなどの見極めが出来るようになってきました。様々な症例を診てきた中で歯を守ることが重要だと考え、病院勤務後どのようにアプローチしていくか思案していた折に、知人の先生に紹介して頂き、学会の理事長も務められた著名な先生の元で歯周病について学ばせていただきました。その結果歯周病へのアプローチと歯を残せる治療の重要性に考えがシフトし、予防に対しての研鑽を積んだ後、今の一般診療への道を歩みはじめました。

10年先を見越した治療ができるよう

患者さんには定期的に来院いただき、トラブルがあれば迅速に治療。そして治療した箇所を長く維持出来るようにしていきたいと考えています。地域に根ざした歯科医院として、なるべく歯を残すために医院が出来ることは全力で取り組んでいきます。ですので患者さんには長く通っていただければと思います。この考えは僕だけでなく医院全員で共通しているもので、実現出来るように歯科衛生士やスタッフへはそのためのスキルアップができるような職場環境を提供しています。当医院では患者さんに分かりやすくそして長く通ってもらい予防の手助けができるよう治療方針を5つの約束として提示しています。他にも治療内容の提示も行なっており、初診時には困っているところの改善する。そしてカウンセリングと検査を行う。検査結果をもとに治療計画を立てるという流れを患者さんに行なっています。保険外にはなりますが口腔内の環境がわかる唾液検査も出来ますので、なるべく患者さんのデータを揃えて記録として残して比較が出来るようにしています。

出来るだけ抜かない、削らない

抜かないといけない歯はもちろん抜かないといけませんが、基本的にはマイクロスコープを使用して精密な治療をしています。当院にはマイクロスコープが2台あって、使用することにより3～20倍くらいの視野で虫歯や根の診断や治療が出来ます。当たり前ですが肉眼で確認するよりも非常に精度が高いもので治療前後の状態を動画や写真で説明しています。以前から通ってくださっている方はこれが普通だと思って通われているんですが、歯科に詳しい方や非常勤の先生は常時使用しているということに対して驚かれることはあります。患者さんに対しても、自分の治療に対しての安心のためにもとても有効なツールとして使用しています。

高齢者の方を中心にお子様やファミリー層の方が来院されている

移転前は団地内にあったので昔から来院してくださっている高齢の方の来院が多いのですが、移転してからは近隣にマンションが多いことも影響してお子様やファミリー層の方も多くいらっしゃっています。相談内容は様々ですが、年配の方だと入れ歯の相談や他の医院に通っていたがちょっと治療が合わない。しっくりこない。といったご相談が多く、若年の方だと定期検診や痛みが発症したから来院されたという方が多いです。当医院でお受けしている治療の多くは保険の診療がメインです。自費の診療ですとマイクロスコープを使用した精密なセラミックの詰め物やかぶせもの、シリコンのクッション付きの入れ歯などを選ばれる方が多く、専門性の高い矯正治療やインプラントは専門の先生に来院してもらって行なっています。他にも数は多くありませんが訪問診療を行なっていて、昔から通っていたが来院するのが難しくなった方などの利用があります。

今後の目標とメッセージ

地域のかかりつけ医としての役割を全うしていきたいと考えており、皆様のお口の健康維持のお手伝いをこれからもやっていきたいと考えています。それと並行して今後は子供の口腔機能に関して力を入れていきたいと考えています。先ほどもお話に出ておりますが10年後を見据えた診療を行なっていきたいので子供の矯正や予防に関しては広げていきたいです。歯周病で困っている。噛んで食事がしたいという方。歯を大切にしたいと考えられる方に来院して下さい。食べること、噛むことで健康になれるお手伝いをします。困ったら相談していただければお力になれることは全力で行います。まずはご相談いただけますと幸いです。

※上記記事は2024年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。